法人化の検討ポイント

名古屋市天白区の税理士 彦坂 です。

ひとり経営者、フリーランス・個人事業主の方など
年商1億円以下のスモールビジネス専門の税理士として活動しています。

個人事業主として事業を始め

そろそろ法人化を検討されている方もいらっしゃるかと思います。

個人でやっていたビジネスを、法人組織にすることを 法人成り といいます。

今回は、その法人成りの検討ポイントをお伝えしていきたいと思います。

今回の内容

法人成りの検討ポイント

法人化の検討は

  • 税金面からの検討
  • 信用力や実務負担からの検討

大きく分けると、この2点からの検討が必要になります。

税金面からの検討

個人事業主の皆さんは
毎年3月15日を申告期限とし、確定申告を行っているかと思います。

個人事業主が納める税金は所得税ですが
法人化すると、法人税を納めることになります。

所得税は
所得金額によって税率が多段階になっているため
所得が増えるにつれ、税率が上がります。(超過累進税率といいます。)

ちなみに税率は、こんな感じになっています。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97,500円
330万円超695万円以下20%427,500円
695万円超900万円以下23%636,000円
900万円超1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円
所得税の税率

最高税率は、なんと45%
何度か最高税率の申告書にお目にかかりました笑

これに対して

法人税は
所得に変わらず、税率が一定になります。(所得800万円以下までは、15%)

表に表すとこんな感じになります。

課税される所得金額税率
800万円以下(資本金1億円超の法人等は適用無し)15%
800万円超23.2%
法人税の税率

このように
同じ所得金額でも、所得税と法人税で税率が異なります。

このことから
税金面から検討した場合、法人成りが選択肢に入ってきます。

実際は、この違いに加え
地方税もあるため、これも加味して比較検討する必要があります。

地方税も加味した場合
所得6~700万円を超えたあたりからが検討のタイミングになってくるかと思います。

所得がコンスタントにこれくらいになると、検討されると良いですね。

信用力や実務負担からの検討

上記では、税金面から見てきましたが

そもそも法人相手でないと取引をしてくれない場合等
所得がこの水準でなくても、社会的な信用力アップという面から
法人化を検討することもあるかと思います。

その一方で
法人化の手間や実務負担を考えて
所得的には基準を超えても、あえて法人化しないという選択肢もあります。

例えば、実務負担では、申告書の作成も、所得税と法人税とでは大きく異なります。
個人事業主としてご自身で確定申告をされていた方でも
税理士に依頼せずに、法人税の申告書を作成することは難しいと思います。

税理士への報酬についても、個人に比べ法人は検討箇所や工数が増えるため、報酬も高くなることが多いです。このため、これらの費用負担も加味して考える必要があります。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、法人成りの検討ポイントについてでした。

検討ポイントを見てきましたが
所得税と法人税では、税率だけでなく、法律が異なります。

このため、取り扱いが異なるポイントがいくつもあります。

今回のブログをひとつ、法人化の検討に役立てていただけると嬉しいです。

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